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2015年5月28日

何と タイムリーな はなし

P1000176

(石野テント様から頂いた(明治期の)看板)

 

 

お客様から タイムリーなタイミングで教えられた、不思議な5月22日のはなし。

 

先日、当館へ来館された福島からの女性のお客様(Kさん)から ご丁重な礼状を本日(22日)頂いた。

たいしたご案内もしてあげてないのに、心のこもった礼状のハガキを頂き、感激もひとしお。 ただ そのハガキの差出人欄の「 福島市下野寺 字 醴 」の最後の「醴 」という字が何と読むのか、とちょっと考え込んだ。

 

P1000174

(Kさんから頂いた礼状のハガキ(おもて))

 

ここで想い出すのは、約1年半ほど前のこと。当館の(昔のメガネ屋さん時代の、商品ショーウインドウのあった)壁に貼り付けてある、明治21年当時の 尾張町大通り商店の銅版画(エッチング : 出展…石川県商工便覧 )の製作元の話。

関西からとおぼしき数名のご婦人たちに、この銅版画の説明をしていて、ついでにこれらの版画の製作元は、大阪は堺の「龍泉堂」です、と述べた。 ここで私は更に余計なことに、堺区(明治21年当時は堺区)熊野町(クマノチョウ)の業者ですと説明した。 そしたら このお客さんの一人が、「それ 違います…『ゆやちょう』と読みますんや…」と答えられた。 そして「私ら、堺から来たんです」…とも。なるほどよく知ってるはずである。

まさにタイムリーな訂正を頂いたわけである。

 

P1000175

(明治21年の石川県商工便覧の製造元)

 

 

読みといえば、当館には一昨年、尾張町の老舗「石野テント」様から頂いた上掲の看板がある。 この看板(明治期のものと思われる)の読みをお客様からよく尋ねられる。 「かみかっぱ(紙合羽)できどころ…と書いてあります」と答えると、「へぇ~カッパというのは日本語だったのですか」 とよく問い返される。

「…ええ そうなんです…」といつも自信無げに答えていた。

 

(江戸時代から「合羽」の文字は用いられてはいた)

 

今日の午前中も関東からのお客さんと 同様のやり取りをしたばかり。

 

ところが、図らずもこのような対応は改めなければならなくなった。というよりホントのことが分かったので良かったというべきか。

この日、午後、外国人の親娘二人連れが来館された。(お母さんと娘さんの二人連れ。コスタリカから来られた。)

二人はスペイン語らしき言葉を話されていた。私が話しかけると、娘さんのほうが日本語で答えてくれた。 日本語は9か月勉強したとのことだが、そのわりには上手だった。 この二人に当館の建物の来歴や、備品の話を(日本語と英語のチャンポンで)していて、この看板に行き当たった。 私の説明で納得してくれたようで、この娘さん、連れのお母さんにこの看板についてスペイン語で説明しだした。

聞き耳を立てているとときおり「… … カパ… …カパ… …」というのが聞こえてくる。 「この… カパ… …カパというのは、この『合羽』のことを言ってるのですか??」と英語、日本語まじりでその娘さんに聞いてみた。 やはり『合羽』のことを『カパ』と言ってたようだ。その娘さんと話していて『カパ』すなわち『CAPA』はスペイン語でも合羽を意味するが ポルトガル語の『CAPA』が雨具のカッパを意味するものとして江戸時代に入ってきて、『合羽』の字をあてがわれた、という 結論に落ち着いた。

まぁ! 何とタイムリーなはなし!!!。

 

その日はことさらお客さんに教えられる機会を天が私に与え給うたようだ……閉館間際の4時半過ぎ 歩きずくめで大変疲れたから休憩させて下さいと、一人のご婦人が入ってきた。 いろいろお話して福島からのお客さんと分かった。(仮にこのお客さんをBさんとする)。  福島から一昨日来られたお客さんからの礼状を今日もらったばかりだったので、妙に福島づいた私は、 (冒頭述べたKさんから頂いた)その礼状をお見せしようと思って、それをBさんの 眼前に差し出そうとする刹那、『ああ!そうだ この人ならKさん差出しの住所”醴”は分かるかも』、と思った。

Bさん そのハガキの差出人住所を見て、「あらぁ 何とまぁ~ 私も福島市の下野寺ですよ、この醴(あまざけ)は私のとこから 近いんですよ、何と奇遇なことで…」と仰った。(Bさんは、福島市下野寺 字 佐太郎内 の方)。  かくてこの「醴」なる地名は、「あまざけ」と判明した。

まぁ! 何とタイムリーなはなし!!!。

それにもまして「福島市 下野寺」のBさんが、「福島市 下野寺」のKさんの礼状到着の直後に来られるとは、何という奇遇。

 

タイムリーな出来事と不思議な奇遇に満ちた一日。

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