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2024年2月17日

穴倉さん、鏡花の創作の場「番町の家」の全貌を解き明かす

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「歴史と伝統文化講演会」の本日(令和6年2月17日)の講師は
泉鏡花記念館 学芸員の穴倉 玉日さんです。
穴倉 玉日さんの当講演会での講演は実に約5年ぶりです。
(前回の講演は令和1年6月15日でした。)
そのときは「 浪漫の作家 泉 鏡花 」というテーマで語って頂きました。
 
その時は
鏡花作品の中から「義血侠血」、「照葉狂言」、「化鳥」、「由縁の女」の、
金沢ゆかりの作品を取り上げられ、鏡花の世界を私たちに伝えて下さいました。
 
本日のテーマは「鏡花生誕150年~存在をつなぐということ~」です。
 
2023年は、泉鏡花(1873-1939)の生誕150年にあたりました。
これを記念して
昨年10月1日から11月26日にかけて、泉鏡花記念館では空襲によって焼失した
鏡花の終の棲家(通称「番町の家」)を再現した「再現!番町の家」の
企画を行っておられました。
慶應義塾図書館、および泉家遺族の方のもとに分蔵されている、自筆原稿
や鏡花の執筆活動を支えた愛用品の数々などを「番町の家」企画で
再現されていました。
 
このような再現をすることがどうして可能であったのか、のプロセスを
本日、穴倉さんは詳細に説明され、解き明かされたのです。
そのプロセスの説明において鏡花の人物像を浮き彫りにし、
鏡花の交友関係をも詳らかにし、また、徳田秋聲とのエピソードも
語って頂きました。
 
この再現にあたって、数々の協力者がいました。
鏡花文学に傾倒していた作家の里見弴、水上瀧太郎、水上の
親友であった慶應義塾塾長 小泉信三 諸氏の協力で、作家「泉鏡花」の遺品が
慶應義塾大学図書館に収蔵され、人間「泉鏡花」の遺品は鏡花の奥様のもとで
収蔵されるという運びになったわけです。
写真家 渡辺義男により撮影された写真も「番町の家」再現に大きく
寄与しました。
 
穴倉さんの説明はここから更に詳細な領域に入ります。鏡花の書斎の
南面、西面、北面などに設置してある家具、置物、備品、什器などにも
言及され、鏡花の人物像を浮き彫りされました。
 
これで、泉鏡花の存在がぐっと身近に感じられてくるから不思議です。
何か、これで鏡花作品が読みやすくなった気が(皆の中に)生まれて
来たのではないでしょうか。
 
創作の場、生活の場である「家の様子」、その中に備えられている数々の「物」、
それらのものが、鏡花という作家の「存在」及び「作品」究明にあたって
大変重要な役割を果たしている、ということを穴倉さんは力説されたような
感想を持ちました。
 
穴倉さんに
「WEB展覧会 再現!番町の家 泉鏡花記念館 × Keio Exhibition RoomX」という
ネット検索で、「番町の家」を我々も訪問し、探索出来ることを教わりました。
 
是非、皆さんもお試しあれ!
 
たいへん楽しく、面白く、そして実用的な お話をして頂き
泉鏡花作品への読書熱が 以前にも増して昂まりました。
 
穴倉さん、本日はたいへん有難うございました。
感謝 感謝!です。
 

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