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2025年12月20日

遠来の安藤先生、金沢の妖怪スポットを紹介

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本日(令和7年12月20日)は安藤 竜先生の第6回目の講演です。
 
昨年の令和6年8月17日、「加賀藩領のスシと発酵食文化」という
テーマで講演して頂き、いつもながらの安藤先生の明解かつユーモアを
交えた講演にいたく感心した次第ですが、あれから1年と4カ月。
 
昨年のその講演の後、安藤先生はお仕事の都合上、近々、生活拠点を
金沢から、兵庫に移される、という話をされました。
( 安藤先生は現在は、兵庫県公立大学法人 芸術文化観光専門職大学
の助教に赴任されています。 )
 
私どもとしては、安藤先生の当講演会へのご登壇もこれで最後か、と
一瞬落胆したわけですが、今後も来沢の機会もあり、スケジュールを合わせて
当講演会へのご出演も可能、との心強いお話をお聞きし、ほっとしたことでした。
( 表題の、遠来の・・・は、先生が本日兵庫から来沢、ということでの意味 )
 
そして向かえた本日。「城下町金沢の妖怪」という、興味津々のテーマ」を
携えて安藤先生は兵庫から遠路はるばるお越しになったわけです。
 
当テーマは安藤先生がかねてから温めていたテーマだったようです。
( 今、NHKの朝ドラでやっている「ばけばけ」は怪談を扱っています。
怪談には妖怪、幽霊の類が出てきますから、「妖怪」は今風のテーマですね。)
 
安藤先生は「城下町金沢の妖怪」という本テーマに入る前に
まずはウオーミングアップとして、妖怪、幽霊、怪異についての基礎知識
を我々に植え付けられます。
 
このへん、知ってるようであまり知らないものですね。
ここで頭がクリアーになります。
 
古代においては、「もののけ」「死霊」「鬼」が怪異現象、
中世においては、人の恨みが鬼や蛇に変化。
その後人こそが化け物であるという考えになって来た。
近世においては、すべてを化け物と表現。
「妖怪」「夭怪」「奇怪」と書いてこれらはすべて「ばけもの」と読む。
江戸時代においては、幽霊は誰か特定人の名の付いたものだが
この固有名詞が取れて一般化したものが「妖怪」になると。
 
という具合に安藤先生は、化け物、妖怪、幽霊についての概念の
時代的変化、推移を上記のように説明された、と理解しました。
 
江戸時代に入ってからは、幽霊と建物の関連が強くなり「化物屋敷」の
物語が主流となったようです。
 
ここから安藤先生は、金沢古蹟志その他の文献から丹念に調べ上げられた、
金沢を中心とする妖怪現象を現在の具体的な場所と照らし合わせて、
克明なスライドで紹介されました。
 
香林坊の「富永家の鬼」、法舟寺の「猫と老鼠」、松原町の「牛鬼」、
能登・柳田の「猿鬼伝説」、小松の「女工に化けた猿」、尾張町(今町)
の「天狗」、「天狗中田本店」の名の由来、柿木畠の「鼠に変化する少女」、
いしかわ四高記念公園の「枕返し」、貴船神社向かいの「化け物屋敷」、
長町中学校裏の「化物屋敷・こだま」、金沢、能登の複数個所に伝わる
「飴買い幽霊」、全国48箇所に伝承される「皿屋敷」等々を
紹介されました。
先生自らそれらの地に足を運んでの紹介でした。
 
聴衆である我々は、先生の文献調査、現地調査に基づくお話を
何の労苦なくして聴かせて頂いているので、まるで、安藤先生の
発するエンターテインメントに心地よく身を委ねている感のある、
楽しさに満ちた講演でした。
 
冒頭申したように
安藤先生の講演はもう6回目となるのですね。
 
この間、有難いお話を何度も何度もお聞かせ願ったわけです。
感謝の念に堪えません。
 
また次回講演も心よりお願いいたします。
安藤先生の、更なる飛躍を強く祈念いたします。

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