2025年9月20日
竹松先生、江戸時代の金沢の「蔦重」的世界を熱弁
ハイテク機器を利用しての、電子書籍ばやりの昨今ですが、
紙の書籍の方が良い、という人もいまだ多くいます。
紙媒体であろうが電子媒体であろうが、本は本です。
知と情報を我々に届けてくれるものに変わりはありません。
書籍(本)は文化の担い手としての筆頭に変わりはありません。
そんな書籍(本)をめぐる、江戸時代における金沢の状況は
どうだったのでしょうか。
その時代の金沢における出版事情はどうだったのでしょうか。
そんな疑問に答えて頂いたのが本日(令和7年9月20日)の、前田土佐守家資料館の
副館長 竹松幸香先生の講演でした。
おりしも今 放映中のNHK大河ドラマは、江戸時代の出版事情を物語った
「べらぼう」(蔦屋重三郎の活躍を描いている)です。
本日の竹松先生の講演は、その意味で時流に乗っかっているのです。
テーマは、まさに「江戸時代金沢の出版」です。
( 竹松先生は、令和6年6月15日以来のご登壇です。
前回のテーマは「加賀藩上級武士家の『部屋住』」でした。 )
先生は、冒頭 「日本の出版とその歴史」を俯瞰的に説明され
本題に入るための知識整理をされます。
これがかなり勉強になりました。
以下、江戸時代の金沢の出版事情についての、先生の長年の研究の成果を
いっぱいいっぱい披露して頂きました。
お聞きしていますと、本テーマは、先生が、学生時代から
取り組まれていた研究テーマとのこと。
本日我々は、たいへんな有難い講演に接しられたわけです。
先生のご用意された「江戸時代金沢の本屋」、「金沢の出版物一覧」は
詳細かつ膨大なもので、調査に当たっての先生のご苦労が偲ばれます。
また、加賀八家奥村宗家第13代当主奥村栄通の、読書目録の一覧表
には、圧倒されました。
また
江戸時代の、出版に至るまでの手続き、費用の大変さを詳細に
語って頂き、当時の本の値段のたいへん高い由縁がよく解りました。
以上、先生の本日の講演は、多岐詳細にわたりますので筆者には
到底、書きつくせません。
前田土佐守家資料館の夏季企画展
「江戸時代金沢の出版ー本をめぐるいろいろ」は
9月28日まで開催中です。皆さん、まだの方はまだ間に合いますよ !!!
先生のご案内により
昔の出版の大変さを学ぶことが出来て、本というものに対する
リスペクトの念が高まった人も多かったのではないでしょうか。
本日、竹松先生の講演は、終始楽しい雰囲気に満ち満ちていました。
やっと涼しくなった今日この頃ですが、先生の熱い講演は
真夏の熱気の様相でした。
竹松先生、本日はたいへんありがとうございました。