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2019年11月17日

歴史と伝統文化講演会 ー 「 金沢を愛した室生犀星 」

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今年度で第6回目の実施となる尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の、令和1年度第6回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「 金沢を愛した室生犀星 」と題した講演会は令和1年11月16日(土)嶋田 亜砂子 さん (室生犀星記念館 学芸員)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、盛大に開催されました。

 

数十回を数える当講演会のそれぞれの講師の方々は、それぞれがご自分たちの述べたいこと、訴えたいことに 力点を置いたレジュメを用意されている。

今回の嶋田先生も、その例に漏れず、否、それ以上の 巧みなレジュメを用意されて来て、我々 聴衆を犀星理解の境地に 巧まざるして導いて下さいました。

 

今回の講演に参加した方々には、すでに犀星を充分に知悉した方もおられることでしょうが、殆どは犀星に少し触れた人、 あるいは殆ど読んだことがない人 が多かったと思われます。

嶋田先生は、講演中、犀星の、創作活動における多作ぶりを述べられました。俳句は約2000句、詩は約2000編、小説は約800編にも上るとのこと。 ( 他に随筆、評論、短歌もある )

かくも多作の犀星作品の中から、嶋田先生は、本日の講演のための 巧みなレジュメを我々に提示されたのです。

犀星についてほぼ素人の部類に属する参加者達にとっては、絶妙の(犀星作品からの)抄録でした。

 

先生は、犀星の年譜を基軸にして、犀星の恵まれない、苦難に満ちた幼少期、少年期を語り、上京後の、作家として立たんとする青年期における苦悩、葛藤を語られました。

このように年譜を追って、その節々での犀星の文学的成果を紹介されました。

 

俳句から始まり、詩、散文、随筆、小説へと至る文学的熟成の道程を説かれ、そして犀星文学の根源的下地は俳句修養から来ているのでは、 と説明されました。

 

犀星は、金沢と東京を行きつ戻りつ、その文学観においても 郷里の金沢と、(身を立てるに必須な文学修業が望める)東京とを行きつ戻りつしてたのでしょうか。

 

金沢の自然、四季の移ろい、 ことに(雪の世界の金沢の美しさ、雪の合間の金沢の空の美しさ、その身に染む清冽な雪 の時期のあとの よろず命の蘇生なる早春の候のよろこび・・・これらの、自然の廻りの横溢する「金沢」への憧憬の念が 犀星において常に在ったことだろう、と 先生の話を聞いて私(筆者)は思いました。

 

嶋田先生の、紹介になる犀星の随筆(「書斎で思ふこと」)の中の、「わけても大雪になればなるほど、その晴れ上がった爽やかに濃く藍青な空の色は、どの国土にも見られない美しさを見せて ・・・・・」などの叙述は、雪国のこの地の冬をも深く愛でる犀星の心持が如実に伝わって来るような気がします。

「抒情小曲集」覚書に見られる、郷里・金沢に対する賛美の思い、が犀星の「金沢」を愛する気持ちを佳く伝えています。

 

本日の演題「金沢を愛した室生犀星」は、嶋田先生によって、かくのごとく、犀星の心に存した「金沢愛」を色濃く提示してくれました。

室生犀星作詞にかかる県内の学校の校歌はあまたあります。

いずれも郷土・金沢に注がれた「愛」が基調になっていることが見てとれます。

「金沢」に注ぐ深い「愛」の持ち主が犀星さんだとすれば、作家「犀星」に注がれる澄んだ「愛」の持ち主こそは、嶋田亜砂子さんなのでしょうね。

 

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次回は、12月21日(土)「 金沢昔語り ~金沢弁で楽しむ昔話・飴買いゆうれい 他~ 」(講師:金澤山本蓮寺 寺庭婦人 昔話の語り手  荒木明日子さん)です。

「昔話の語り手」、「イラストレータ」、「金澤山(きんたくさん)本蓮寺(ほんれんじ)の寺庭婦人」などの、多彩なプロフィールでご活躍の荒木明日子さんのご登場です。

エンターテインメント精神溢れる荒木さん、きっと皆さんを心底から楽しませて下さることでしょう。

また当日は、実業家であり、またシンガーソングライターでもある ご友人の「瀬下由浩」さんも駆けつけて頂き、荒木さん作詞、瀬下さん作曲の お歌のご披露も予定しております。

どうぞ皆様 お楽しみに !!!********************************************************************

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