2018年12月16日
歴史と伝統文化講演会 ー 「 金沢の町名の由来と武士(藩士)の家格 」
今年度で第5回目の実施となる尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の、平成30年度第7回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「 金沢の町名の由来と武士(藩士)の家格 」と題した講演会は12月15日(土) 加納 嘉津政 氏 (石川郷土史学会 常任幹事)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、盛大に開催されました。
加納先生は、石川県の高校において、長らく歴史教育に携わって来られた方でであり、そして現在も石川郷土史学会の常任幹事として、歴史研究を続けられ、その成果を史学会においてつど発表されております。
また、石川県生涯学習センター、石川県民大学校等にて歴史に関する講義・講演をなされ県民、市民への啓蒙に努められています。
歴史研究にますます円熟味がかかった加納先生に、本日は表題の講演をお願いした次第です。
加納先生には約2年ほど前から当館によくお越しいただいています。 そのたびに先生から歴史、ことに加賀藩にまつわる話を中心とした歴史の話を お聞かせいただいており、しみじみと役得感を味わっているのですが、 約1年頃前、先生に「何か金沢の、昔の武士の様子や金沢の町の様子を 講演会で語ってもらえませんか」、などと(先生があちこちで歴史の講演をなさっているということを伺っていたので)お願いしたことがありました。
そんないきさつもあって本日のテーマの「金沢の町名の由来と武士(藩士)の家格」 という講演が実現した次第です。
前田氏以前からの尾山八町、有力各町の家柄町人、代表的な町の名前の由来、を さらっと述べられ、それから藩士の家格を(室町時代からの守護大名の家格 ― 「管領」、 「四職」にまでにさかのぼり)かなり詳細に説明されました。
特に加賀藩士の家格の項にあっては、八家、人持組についてはそれぞれの始祖についての いろんなエピソードや事件をまじえて興味深い説明をされました。
本日のテーマがかなり網羅的なものであったためか、1時間半の限られた講演時間の中では 深く掘り下げたお話は、先生 どうも なさり難かったようにお見受けいたしました。
ただ、八家や人持組のエピソードめいた話を語られるときには、先生独特の、「知識の泉」から 滾々と知識が湧き出ずるがごとき側面が伺え、先生の歴史学の奥深さを 皆 感じ取ったことでしょう。
次は、狭めた範囲のテーマでの「加納節」を皆さん聞いてみたくありませんか。
次回は、来年1月19日(土)「五木寛之と金沢 」(講師:金沢文芸館館長 小西 護さん) です。
あの五木寛之さんが、金沢とゆかりがあることはたいていの人は知っていることでしょう。
しかし、皆さん その知識はかなり曖昧なものではないでしょうか。
そして機会あれば、その辺のところを詳しく知りたいと思っている人は多くいることと思われます。
同じ尾張町にある金沢文芸館の2階は「五木寛之文庫」となっています。
その館長の小西さんに、「五木寛之と金沢」をたっぷりと語って頂きます。