2019年7月21日
歴史と伝統文化講演会 ー 「 遠藤・輝・炎鵬」
今年度で第6回目の実施となる尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の、令和1年度第3回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「 遠藤・輝・炎鵬」と題した講演会は令和1年7月20日(土) 西塔 幸子 さん (紫錦台中学 教師)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、盛大に開催されました。
西塔先生は、当講演会の案内広告には、元 西南部中学・相撲部顧問と表記させていただいていましたが、これは先生が謙遜なさってのことで、本当のところは監督さんでした。
そう、今 角界の、しかも幕内で活躍している「遠藤」、「輝」、「炎鵬」の人気3力士の、中学時代の面倒を見た先生なのです。
先生は、女性ですから実技の指導はなさいませんが、部の運営面、選手の生活面など様々な面で西南部中学の相撲部に貢献なさって来ました。
「遠藤」、「輝」、「炎鵬」の3人の指導をなさったことは勿論です。
絶大な人気を誇る「遠藤」、ここのところ、その小兵から繰り出す技の切れ味でとみに人気の出てきた「炎鵬」、そして各界入りは3人の中では一番古い、大器晩成の風格を漂わす、野武士的風貌の「輝」、こんな才能豊かな大物力士3人の中学生時代を、如実にご存知の西塔先生の講演ということで、集まった参加者は、胸高鳴る思いで本日の講演に臨んだことでした。
先生は、「遠藤」、「輝」、「炎鵬」3人の、西南部中時代の豊富な画像、動画をお持ちになり、少年時代の彼らの様子を伝えられました。
小柄な炎鵬の、さらに小柄だった中学生時代の写真、輝の中3時の中学横綱(都道府県大会で優勝) になったときの写真、遠藤の当時からの風格・貫禄ある写真などは、参加者一同みなほほえましい心持で 見入りました。
また、西南部中の強くなった秘訣を解き明かすテレビ動画、平成17年時の全中大会(このときは遠藤が中心選手)の 動画、には みな感動の面持ちで見入ったものです。 ああ、あのころから遠藤は柔らかい足腰の、相撲センス抜群の選手だったんだな、との思いをみな強くしました。
いずれの写真、動画にも西南部中部員のそばには暖かくよりそっている西塔先生の姿が見られました。
監督であり先生ですから指導者たる振る舞いは勿論のことですが、常に部員達にたのもしく寄り添っている先生の姿は、 母のようでもあり、姉のようでもあり、部員の生徒たちにはさぞかし心のよりどころとなる暖かい存在だったことが 伺われます。
写真、動画を駆使して先生は、遠藤、輝、炎鵬の3人の中学生時代の様子、性格(みな素晴らしく良い性格の 持ち主)、エピソードを語られました。
西塔先生は 3力士の、恩師でもあり憧れの先生でもありましたから、今でも彼らとの行き来は続いています。 先生は、現在の3力士の様子なども語って下さいました。
そして先生のステキなのは、その降り注いだ愛情が、この3力士にととどまらないところです。 他の部員全員にも先生は等しく愛情を降り注がれました。他の部員達の、様々な分野での活躍ぶりを 紹介さたことからも先生の心持が伺われます。
いずれも微笑ましい話、感動をもたらす話ばかりで、参加者一同、西南部中出身の彼らに対する応援の意を強くしました。 「 これからは、応援の気合の入れ方が変わるね 」などの声が講演会の後、あちこちで聞かれました。
西塔先生、本日は素晴らしいお話をたくさん 有難うございました。 心から感謝です。
ときあたかも、名古屋場所の真っ最中。これを書いている今(21日午前)、3力士の活躍の報に接しています。 名古屋場所14日目終了時点で、3人とも勝って、遠藤関は9勝、輝関は7勝、炎鵬関は、幕内では初の、念願の勝ち越し決定で8勝 (輝関の千秋楽の勝利を祈るばかりです)。
相撲の素人の私(筆者)が、専門家の方を差し置き申し上げるのもはなはだ僭越なのですが、この場を借りて3力士にアドバイスさせてください。
遠藤関へ。
もうしぶんのない相撲巧者の遠藤関には、今の相撲の完成度をそのまま高めて行かれればと思います。 しいて希望を申し上げさせて頂ければ、突き、押しの、圧力の強い、いっぺんに相手を持って行く相手には、立会いでいきなりマエミツを狙うのでなく 突き、押しで相手を起こして、それから廻しを狙う、といった取り口のほうがリスクは少ないと思います。
炎鵬関へ。
土俵際でのせめぎあいのとき、相手に大きな相撲を取らせないように、必要とあらば内掛けを仕掛けられるような密着具合の、足の運びをしたらどうでしょうか。 内掛けはしないまでも、外掛けの構えよりは相手に大きな、引きずるような投げを打たせないような気がしますし、このほうがこちらも投げが打ちやすくなるのでは、 と思います。
輝関へ。
足の構えを、かつての小兵大関 旭国さんのように交互に斜めに構え、突き、押しを、かつての大関 清国さんのように強烈な「おっつけ」を多用して行い、 あるいは「はず押し」をもまじえて、下から上への「圧」のかけ方にされたらいかがでしょうか。 総合的には、「ニワトリを追うような」と形容された、第46代横綱 朝潮さんのような取り口が輝関には一番合ってるのでは・・・と考えます。
素人の私が、たいそうなことを申し上げてまことに申しわけございませんでした。
でも皆さん、あの美しい四股の遠藤関の横綱土俵入りを見たいと思いませんか。
輝関には(さきにも述べました)かつての横綱 朝潮のような取り口の横綱を望みませんか。
炎鵬関には、まったくの、力学的に合理的な、出し投げ、あるいは捻りの極意を極めた横綱を望みませんか。
次回は、9月21日(土)「 徳田秋聲を考える 」(講師:徳田秋聲記念館 学芸員 薮田 由梨 さん) です。
薮田さんには今回で4回目のご登壇を頂くこととなります。
藪田さんの、軽妙で洒脱な、秋聲愛に溢れるステキなお話にまた遭うことができるのです。
みなさん、薮田さんの講演にまた酔いしれましょう。
お楽しみに !!!