2016年9月18日
歴史と伝統文化講演会 ― 金沢の茶道を知ろう
尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第4回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「金沢の茶道を知ろう ~ 裏千家茶道のお話し ~ 」は9月17日(土)、石川県茶道協会代表幹事 大島宗翠さんを講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。
当講演会は、毎回 講師の先生方の用意される「レジュメ」等の資料にもとづいて行われることが多いのですが、今回の大島先生もお話の内容全体をたやすく俯瞰できる資料を提供され、講義を進められました。
先生の用意された資料は、A3版2枚の年表形式のもので、一つは、室町時代から近代にいたるまでの、前田家歴代、裏千家歴代、の在世期間、及び信長、秀吉、徳川家歴代、そして利休七哲の在世期間、茶人でもある武将・豪商・実業家・芸術家たちの在世期間、を時系列に並べたもので、各人物の、お互いへの影響度合いを把握しやすい年表。
もう一つは、これも室町時代から現代にいたるまでの期間の、信長、秀吉、千利休、前田家歴代、の茶道発展に尽力した出来事、石川県、金沢市の茶道発展に寄与した施策、活動を細かに記した年表。
これらの資料に即して先生は、武士と茶道の関わり合い、前田家と茶道の関わり合い、茶道の有する総合文化性なるがゆえの、百万石文化への寄与・貢献を語られました。( お茶は、茶道具のみならず、建物、庭、料理、禅、文学 等の広い領域を統御する総合文化であると。)
洒脱な先生の語り口にかかれば、これら二点の年表は、さながら鮮やかな大絵巻とみまごうばかりでした。先生の説明は、我々聴衆に、茶道の歩んだ歴史、茶道を愛でた武士、文人、町人たちの活躍のありさまを、鮮明にイメージさせてくれるものとなりました。
「 お茶というものは、もてなしの世界である。作法不備な客人であっても、決して恥をかかせず、すべての客人に楽しんでもらう、というのが『お茶の基本』。」
と結ばれた大島先生の講義は、茶道に対する親しみ、愛着を大いに沸き立たせてくれるものとなりました。
次回は、10月15日(土)「日本最古の印判店 ~ 前田利家の御用印判師としての役割と伝承 ~ 」(講師:細字印判店12代店主 細字左平 氏)です。