2016年6月19日
歴史と伝統文化講演会 ― 兼六園 その価値を知ろう
尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第2回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「兼六園 その価値を知ろう」は6月18日日(土)、金沢城・兼六園研究会の会長を長らく務められ、現在同会の相談役である 上田輝喜さんを 講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。
上田先生は、熱のこもった講義により午後1時半から3時までの予定時間を目いっぱい使われ、質疑応答は終了予定の、3時以降の時間外に及ぶという、充実した講演会となりました。
先生は先ず、天下の名園「兼六園」の特別名勝に指定されるまでの経緯、過程を、資料を用いて事細かに(建物、造作、水流システム、園への出入口等の変遷などにつき)説明され、他の特別名勝の大名庭園との相違(兼六園のみ、水流・池・滝・噴水の水四景をそなえる)を指摘されました。
講義は主に兼六園の持つ価値の本質を解き明かすことで進められました。
先生は「暮らしの用」、「自然らしい景」という二つの観点から兼六園を様々な例を挙げて分析され、これらのことを学び理解し後世に伝えることが真の意味での兼六園の保存、活用に繋がるのであり、こうした作庭の思想は、我々の暮らす街作りにも活かされるべき、と結ばれました。
兼六園を愛で、誇りに思う気持ちがいっそう増した講演会となりました。
次回は、7月16日(土)「金沢のしきたりを学ぼう ー 金沢の冠婚葬祭今昔ものがたり」(講師:神社庁金沢市支部 支部長 田近章嗣 氏)です。