2018年9月7日
引札と浮世絵の競演展
引札も浮世絵も主に版画(木版画、石版画 )であり最終形は多色刷りである。
引札には製法において浮世絵技術が活かされている。
浮世絵はもともと江戸時代の庶民にとって関心ある情報を伝達するためのメディア的側面をも有しており(特に名所絵)、広告物として活躍していたものもあった。
一方 引札は江戸時代に始まり明治で最盛期を向え、商店、問屋、仲買、製造販売元などのために作られた広告、チラシの類であった。そして広告、宣伝のための道具というだけでなく、生活の中に笑いや遊びを取り入れようとした一種のエンターテインメントでもあり、また庶民の情報源(よってメディア的側面を有する)でもあった。
浮世絵も引札も当時の時代考証的資料の価値を有し、また どちらも美術的価値を有することは言うまでもない。
大きな概念から言えば、引札は浮世絵の一種と言えよう。
以上を踏まえて この両者を大正ロマン溢れる当館の中で とくと見比べてお楽しみください。
当展示は、平成30年9月7日(金)から12月5日(水)まで。