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2019年6月16日

歴史と伝統文化講演会 ー 「 浪漫の作家 泉 鏡花」

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今年度で第6回目の実施となる尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の、令和1年度第2回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「 浪漫の作家 泉 鏡花」と題した講演会は令和1年6月15日(土) 穴倉 玉日 さん (泉鏡花記念館 学芸員)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、盛大に開催されました。

 

講演を聴き終えて、穴倉さんのあまりに濃密な鏡花のご紹介は、我々聴衆の心をとらえて離さず、我々の心の中を「鏡花」の世界を以て、たっぷりと浸して下さったことを感じました。

鏡花愛読の方々ならいざ知らず、鏡花に”あまり”、あるいは”まったく”接してない人にとり、本日の穴倉さんの講演のいかに有益であったことか・・・参加者の皆の表情からその満足感、充実感がうかがい知れたことでした。

 

講演後の質問コーナーで ある方がこんな質問をされました。

 

「 先生はなぜ鏡花を択ばれたのですか。その理由を教えてください 」

 

これに対する穴倉さんの回答が、本日の「鏡花」講演のエッセンスのすべてを言い表していました。

 

穴倉さんは こうおっしゃたのです。

 

「 私はもともと読書に教訓( 訓示めいたもの、人生の道徳的な、あるいは指針的なもの・・・という意味でしょうか )めいたものを求めてはいないのです。 鏡花作品は私を未知な世界( 異界とでもいうのでしょうか )へと連れて行ってくれるからです。そこに魅力を感じました。 」

( 筆者の聞き違い、あるいは記憶違い がなければこういうことをおっしゃたのです )

 

この穴倉さんの言葉に、泉鏡花文学の魅力が端的に言い表されているのでしょうね。 鏡花文学は、エンターテインメントの極致なのでしょうね。

 

穴倉さんは、鏡花作品の中から「義血侠血」、「照葉狂言」、「化鳥」、「由縁の女」の抄録部分を収めたレジュメを用いられて、それらの各作品に即して、鏡花の世界を私たちに伝えて下さいました。

 

いずれも金沢ゆかりの作品群です。

 

したがって

 

穴倉さんによる、鏡花ワールドのナビゲートにより、私たちも、鏡花作品の足跡を金沢の「まちなか」に辿ることができることを知りました。

戦災に遭ってない金沢は、名所旧跡、伝統工芸・芸能ばかりでなく、文学探訪の宝庫でもあることに 気づかされた1時間半でした。

 

先にも述べましたけど、講演後の質問コーナーこんな質問もありました。

 

「 先生の、一番好きな作品は何ですか ? 」の問いに

「  一番好き というのは言うに難しいのですけど、一番の最高傑作はと問われると、それは 『春昼/春昼後刻』ですね・・・・」とおっしゃいました。

 

鏡花作品を殆ど読んでない私(筆者)が、きのうから手に取って読み始めたのが、まさにこの「春昼/春昼後刻」でした。

何か不可思議な力によって鏡花世界にいざなわれている気がして ちょっとぞくっとさせられました。

 

本日、穴倉さんは、私たちにとっての、 まさに「鏡花文学」の宣教師、伝道師でありました。

有難うございました。心から御礼申し上げます。

 

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次回は、7月20日(土)「 遠藤・輝・炎鵬 」( 講師:元西南部中 相撲部顧問の西塔 先生 ) です。

郷土が生んだ、大相撲界人気の看板三力士・遠藤、輝、炎鵬の、中学生時代の興味あるお話が聞けます。

相撲ファンはもちろんのこと、相撲ファンならずとも是非聞きたいですよね。

お楽しみに !!!

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