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2017年3月19日

歴史と伝統文化講演会ー近江町の不思議

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第10回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「近江町の不思議 ~  知られざる近江町市場の話 ~ 」と題した講演会は3月18日(土)、石田 順一 氏(金沢中央信用組合 常勤監事)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

 

石田順一さん所属の金沢中央信用組合は上近江町にあり、また、氏は近江町三百年誌の編集長の任務にも就かれており、近江町を語る上で最適な方なのです。

「近江町の不思議」と題して、7つの項目、それに加えて番外編3つを 語っていただきました。 丹念に調べ上げた資料、古地図、古文書、また資料に無いものは ご自分の足で町を歩き回り発見した事実、等に基づくもので、いずれも プロジェクターによる豊富な画像を用いての説明であり、参加者には 心に染み渡るがごとく、理解が進みました。

 

参加者の理解を著しく進めたのは、説明に用いられた史実、画像の なせるところ、もちろん大なのですが、ときおり氏がなにげなく 放つ、ウイットに富んだ「しゃれ」「ジョーク」の類が皆の 気持ちをほぐし、笑いを誘い、先生 次 なにを言うのかな、と 聴衆の耳目をそばだてさせたことも大きな要因でありました。

 

近江町市場を俯瞰したとき、「く ノ 一 の『女』」の文字に 見える( 今は、その一画目の『く』の下のほうが、いちば館が建った ことにより欠けてしまっている )のですが、このあたりの説明の ところで、先生、「・・・今はやりの ”ドローン ”で上から 撮影しようと思いましたが、金もかかりますのでそうも行かず、・・・ ”カードローン ”( カー ドローン )ならいっぱい残っていますが・・・」 などと言った具合のシャレをそこかしこにまじえて、聞くものを 瞬時たりとも飽きさせない名講演でした。

 

大正末期から昭和初頭にかけての、二次にわたる「近江町争議」(金沢市魚商組合と 金沢魚市場組合の間の、摩擦、対立) をうまく治めた「野村喜一郎 氏」( 石田氏の所属する金沢中央信用組合 の前身の「金沢市水産信用組合」の創始者 )の功績の話のところでは 近江町市場にも苦難の歴史があったんだな、と認識させられました。

 

最後まで、聴衆を惹きつけ続けた本日の講演は、やんややんやの拍手喝采で 幕をとじました。

 

この講演には続きがあります。さらに深い考察がされた近江町にまつわる話です。 当講演会の、平成29年度(4月以降~)の中に、石田氏の 「 近江町の不思議 その2 」を設ける予定となっております。 詳しくは、近日中に発行の「チラシ」および当ホームページを ご参照ください。

 

さて最後に、当ホームページごらんの皆様に明かしますと、 本日の講師 石田順一氏とは、当ホームページ・管理者ブログの 2014年10月17日付記事「尾山神社」にご登場いただいた 「I」さんのことでした。

 

平成28年度(平成28年4月~29年3月)の尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」はこれにて終了いたしました。

平成29年度の講演会企画につきましては、近日中にチラシを発行し、及び当ホームページにてもお伝えいたします。

お楽しみにお待ちいただきたく存じます。

乞うご期待 !!!

2017年2月19日

歴史と伝統文化講演会 ― 金澤町家の楽しみ方、活かし方

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第9回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「金澤町家の楽しみ方、活かし方」と題した講演会は2月18日(土)、川上 光彦 氏(金沢大学 名誉教授)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

 

前回の、金沢工業大学 教授 増田先生による講演「金澤町家について」に引き続いての、金澤町家シリーズの第二回目となりました。

 

本日の講師を勉められましたのは、金沢大学名誉教授の 川上 光彦 先生です。

講演は、先生の学者的お立場からと、NPO法人金澤町家研究会の 理事長としてのお立場からの、立体的レクチャーにより進められました。

 

「金澤町家」の定義は、前回の増田先生の回のブログに譲るとして、 ここで定義された「金澤町家」というものの利活用への取り組み が本日の 講演の骨子を成しました。 (「金澤町家」の利活用の推進は、まちなか定住促進策にもつながり 都市レベルの活性化の一助ともなります。)

 

この利活用推進は、金沢市によるところ大ですが(「こまちなみ保存条例」、 「伝統的建造物修復事業」、「まちなか住宅リフレッシュ支援事業」、 「金澤町家継承・利用活性化基本計画」、「金澤町家再生活用事業」、 「金澤町家条例」等々、利活用推進に向けた諸施策は、年々その効果を挙げている)、 これらの公的な対応での不足を補うべく、先生の主催する「金澤町家研究会」の 果たしている役割を説明されました。

 

「町家の修復等に関する研修事業」、「町家の魅力を広く伝えるための、 町家を利用した交流事業」、「情報発信事業(金澤町家流通コーディネート事業)」 などがその例です。

いずれの説明も、プロジェクターを用いた豊富な事例紹介によるもので たいへん分かりやすく、参加者のうちこれまであまり町家というものに詳しくなかった人も、講演の終了際には、ひとかどの「町家通」になったことだと思いました。

当館の係員である筆者は、当然のことながら、観光で金沢を訪れた人たちの 金沢に対する感想を聞く機会に恵まれています。

 

「・・・清潔な町ですね・・」、「・・・古いものが沢山残っていて、それもきれいで・・・」 「・・・戦災に遭わなかったのですか・・・どうりで昔の風情が残っていてうらやましい、 また来たいです・・・」などとの金沢に対する賞賛の言葉を耳にします。

「東山」、「主計町」、「卯辰山山麓」、「寺町台」の重要伝統的建造物群保存地区、 あるいは、「旧新町」、「里見町」、「旧天神町」、「旧御歩町」等の 「こまちなみ保存区域」等の、歴史を感じさせる魅力的な町並み、 これら以外にも、そこかしこに見られる歴史がかおる家屋、いずれも 主役は、この「金澤町家」なのです。

ややもすれば、我々は、これらのものは、戦災に遭わなかった金沢(石川の他の地域も) だから残っていて当たり前、くらいの気持ちで日々過ごしている傾向にあります。

 

しかし、金沢市をはじめ、川上先生の「金澤町家研究会」、市民レベルの様々な協力者の方々、 等々の尽力があって、魅力ある金沢を演出する歴史的建築物及びそれらを構成要素とする 「まちなみ」が保たれていることへの認識を深めさせられた本日の講演会でした。

 

 

 

次回は、3月18日(土)「 近江町の不思議 ~ 知られざる近江町市場の話 」(講師:金沢中央信用組合 常勤監事 石田 順一氏)です。

氏は、近江町史はもとより、金沢・小立野界隈の郷土史、日本プロレス史、など多方面にわたっての該博な知識をお持ちの方ですが、それとは別に、ウイット、ユーモアに富んだその語り口は、それだけで皆様を魅了してくれることでしょう。

2017年2月9日

卯辰山工芸工房展 PART26

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今回は「陶芸」、「金工」、「ガラス」3部門の作品群の展示です。

「陶芸」は、岩崎晴彦氏、織田光恵氏 の、「金工」は、魚住安信氏、近江佐知氏の

、「ガラス」は、三宅道子氏、坂井いづみ氏の 作品です。

知性あふるる作品、なごみに充ちた作品、凛としたたたずまいの作品 達が皆様方の

ご来館をお待ちしています。

「金沢卯辰山工芸工房展 PART 26」は

平成29年2月9日(木)から 4月12日(水)までの期間において開催。

 

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2017年1月22日

歴史と伝統文化講演会 ― 金澤町家について

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第8回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「金澤町家について ~  町家って何? 何が違うの? ~ 」と題した講演会は1月21日(土)、増田 達男 氏(金沢工業大学教授)を講師にお招きし、悪天候にもかかわらず多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

 

増田先生は、具体例満載のレジュメ、プロジェクター投影による豊富な画像を用いられて「金澤町家」を説明されました。

金沢の、古地図作成以前からの、町の生成発展の経緯・変遷の説明から始まり、

作成された古地図からの武家屋敷の数(約7000戸)、町人の家屋の数(約15000戸)を紹介され、金沢という町の、人口の集積度や、たいへんな賑わいの様子がうかがわれました。

こうした金沢の町の成立ち具合というものを、先生は参加者に充分理解浸透させたあと、

武家屋敷、侍屋敷、足軽屋敷、そして(狭義の町家である)商家のそれぞれにつき、

建築学的特徴、用途、そこでの暮らしのあり方、などを豊富な画像等を用いて解説されました。

筆者の理解が間違っていなければ、先生は、これらの武家屋敷、侍屋敷、足軽屋敷、(狭義の町家である)商家、これに(戦前あたりまでに建てられた)近代和風住宅を加えて、これらを総称して「金澤町家」と定義されました。

侍屋敷を合理化した足軽屋敷の様式は、昭和の現代住宅にまで引き継がれたとのことで、そういえば、昭和40年代頃までの家は、本日学んだ下級武士系住宅のなごりが残っていたと思われました。

 

「金沢は歴史に直結した町」という先生の言葉は、金澤町家の持つ、都市型住宅としての利便性、景観的観点からの優美性、がその証し と思われるのでした。

まだまだ残っている金澤町家というものの文化的価値を、戦火を免れた金沢としては、(これをハード面においても、ソフト面においても)大事に継承発展させて行く責務はあるのでしょうね。

 

 

次回は、2月18日(土)「 金沢町家の楽しみ方、活かし方 」(講師:金沢大学 名誉教授 川上 光彦 氏)です。

2016年12月18日

歴史と伝統文化講演会 ― 初めての能と謡にふれよう

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第7回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「初めての能と謡にふれよう ~ 能のお話しと謡を体験しよう~ 」と題した講演会は12月17日(土)、藪 俊彦 氏(シテ方宝生流 能楽師)を講師にお招きし、悪天候にもかかわらず多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

藪先生の当講演会でのご登場は2回目です。1回目は、ほぼ1年前の12月19日でした。

その1年前の講演では、質疑応答の場面にておいて、先生の『実演』をまじえた解説がなされ、その際の、「能」というものの「生の断片」にじかに触れることの出来た質問者達の間で、言い知れぬ感激が沸き起こったことが思い起こされます。

 

そんなこともあり藪先生の、再度の講演が待ち望まれていました。

前回は「能」というものの概要、その魅力、観方、文化的価値を座学的に

語って頂いたわけですが、今回は写真にもありますように、和服姿で登場された先生はテーブルの方には着座なさらず、畳の上に端座されて「ここでやります」とおっしゃられました。

そのことは、今日の講演の、ただならぬ雰囲気を参加者一同の胸中に感じさせたました。(通常は、講師の先生は、当館の大テーブルの中央に着座されて座学的に講演を行います。)

 

先生は、県立能楽堂で明日(18日)開催される「慈善能」の、「七騎落(しちきおち)」(藪先生がシテとして出演)を題材にとられ、これの解説を軸に「能」の話を進められました。

 

特筆すべきは、物語の中の肝心なところでは、舞台の上でのごとく、腹の底からの、朗々たる美声にて 台詞を放たれたことでした。

そして、ことが刃傷や自害といった大変な場面にさしかかった場合での、これらの所作を諌める「 あ~ しばらく !」の台詞を、参加者の皆にも演じてもらったことでした。最初は腹の底から声が出なかったり、間髪を容れずのタイミングが悪かったりで、先生からのNGが連発しましたが、次第に旨くなり、皆、まさに「能」を体感できたひと時でした。

 

質疑応答も活発になされ、藪先生を囲んでの濃密で有意義な講演会となり、「能」と「謡」がよりいっそう身近になったことでした。

 

 

次回は、来年の1月21日(土)「金沢町家について~ 町家って何? 何が違うの?~ 」(講師:金沢工業大学教授 増田 達男 氏)です。

2016年12月8日

加賀手まり & 昔の玩具展

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今年の春先に催しました「加賀てまり」展の、皆様方のご愛顧に応えての第2回目展示です。

前回より作品数を増やしています。

徳川家から前田家にお輿入れした珠姫ゆかり とも言われている歴史ある「加賀手まり」、

花柄模様、幾何学模様の、目を見張るほどの煌びやかな「加賀手まり」、

精緻な技巧の中にも優美さを宿す「加賀手まり」。

 

藩政期からの伝統を伝える、江戸時代後期の「加賀手まり」も展示してあります。

併設展示の「昔の玩具」との多彩な「色」の競演もお楽しみいただけたら、と思います。

金沢の女性の愛と教養が込められている「加賀手まり」から 金沢独特の手芸の美を発信させていただきます。

( 協力:綿谷小作薬局 様 )

 

展示期間は、平成28年12月9日 ~ 平成29年2月8日まで。

 

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2016年11月20日

歴史と伝統文化講演会 ― 武士と加賀毛針

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第6回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「武士と加賀毛針 ~ 440年の歴史と技術の原点を知ろう ~ 」と題した講演会は11月19日(土)、目細 伸一 氏(目細八郎兵衛商店 会長)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

 

本日の講師を務められました「目細八郎兵衛商店」 会長の目細伸一氏は 天正三年(1575年)創業の同商店の第19代目を勤められた方です。 (現在のご当主さんは20代目となる息子さんです。)

話はいきなり余談になりますが、氏の語り口が、とても柔らかい関西風だったので お生まれは金沢ではなさそうと思っていたところ、氏の目細家の19代目となったいきさつ に話が及び、お生まれは兵庫県小野市とお伺いし、納得が行きました。 ご縁があって目細家にお入りになり19代目としての重責を担われたのでした。

 

講義は、氏がお持ちいただいたDVDを用いながら「目細八郎兵衛商店」の来歴、(「鮎つり」 に使われる)加賀毛針の製法のご説明、ご紹介を頂きました。

毛針のサンプルや、材料のひとつである「赤マムシ」の皮なども説明に使われ、参加者の興味・関心に 訴えるところ大いなるものがありました。

 

筆者にとって特に耳新しかったのは、「鮎」は昆虫は食べないとおっしゃられたことです。 加賀毛針を、虫に見立てた「疑似餌」として、鮎がそれに食いつくと思っていた私には驚きでした。

信州大学で鮎の好きな色を調査研究したところ、鮎は「赤色」が嫌いなことが判明したそうです。 ところが赤の毛針を使うとよく釣れるのだそうです。

鮎は、嫌いなものを自分の領域から排除しようとして、この嫌いな「赤」を口で領域外へ追い出そうと するのではないか、と説明されました。

加賀毛針の、きらびやかな色と光に鮎が反応する、というようなことだそうです。

 

もうひとつ氏の講義から感銘を受けたのは、目細家と泉鏡花との関係です。 目細家17代目の夫人であった「てる」さんは、泉鏡花とは「またいとこ」の関係にあったそうです。 泉鏡花が青年期、煩悶の末、百間堀に入水自殺を図ろうとしたのを「てる」さんが助けたのだそうです。 この「てる」さんの活躍なくば、文豪として名を馳せた泉鏡花はなかったのでしょうね。

 

もともとは藩政期の加賀藩において武士の内職仕事により作られていた毛針を、 釣具としての機能を発展さたのはもちろん、さらには、かくも優美な工芸品の域にまで引き上げた 目細八郎兵衛商店の功績の偉大さには感嘆させられます。

「毛針を見ていると、その中に鏡花の世界の「幽玄」「妖艶」を感じ取ります」という 目細伸一氏の言葉が、この加賀毛針の芸術的側面をも大いに物語っています。

 

 

 

次回は、12月17日(土)「初めての能と謡にふれよう ~ 能のお話と謡を体験しよう ~ 」(講師:シテ方宝生流 能楽師 藪 俊彦 氏)です。

2016年10月16日

歴史と伝統文化講演会 ― 日本最古の印判店

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第5回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「日本最古の印判店 ~ 前田利家の御用印判師としての役割と伝承 ~ 」と題した講演会は10月15日(土)、細字 佐平 氏(細字印判店12代店主)を講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

 

細字家における印判師としての初代(当家としては7代目となる)は、尾張荒子の生まれで前田利家公と同郷であり、天正16年に加賀藩の御用印判師として召抱えられ、尾張町で日本最古の印判店を開業されました。

その細字印判店は、連綿とその卓越した家業を継承され、今日の12代店主殿に至っているわけです。その方が今日の講師の(12代目)細字佐平さんです。

この印判師としての初代の方は、細字(当時ささじ と読んだ)の姓を織田信長から賜ったことは有名な話です。(織田信長が、その技量の優秀さゆえに「細字」姓を与えたのは3名のみ。その3名のうち、現在も印判師としての生業を続けているのは、この尾張町の細字家だけなのです。)

 

細字さんは、印章の変遷・歴史を語られ、印鑑制度の歴史・現在抱える問題点までをも語られました。

また豊富な資料に基づき、印章の製作過程、細字家当主としての心構えなどをも微に入り細をうがって説明頂きました。

まさに伝統の正統性を受け継ぐ(芸術家の境地に達しているもと言うべき)職人像というものに接しられた本日の講演は、たいへん実り多きものでした。

 

次回は、11月19日(土)「武士と加賀毛針 ~ 440年の歴史と技術の原点を知ろう ~ 」(講師:目細八郎兵衛商店 会長 目細 伸一 氏)です。

 

 

 

以下は、細字さんのお持ちいただいた資料に基づく、説明の様子です。

「藩札」「印章の印影」「印章の下絵」等々、とても貴重な歴史的資料ばかりで、細字家のなした偉業がうかがい知れます。

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2016年10月13日

金沢卯辰山工芸工房展 PART25

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今回は「陶芸」作品の展示です。

日ごと深まりを見せる、秋のこの時期の風情を体現するかのような作品群です。

 

「たたら成形」、「ロクロ・上絵付、金彩・赤絵」、「ロクロ・上絵付、金・銀彩、上

絵付、サンドブラスト」等の技法からなる作品群です。

 

また、併設展示の、江戸時代 ~ 現代までの「金沢の町図」、引き札も合わせてご覧

ください。

 

「金沢卯辰山工芸工房展 PART 25」は

平成28年10月12日(水)から 12月7日(水)までの期間において開催。

 

 

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2016年9月18日

歴史と伝統文化講演会 ― 金沢の茶道を知ろう

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尾張町商店街「歴史と伝統文化講演会」の今年度第4回目(今年度は全部で10回シリーズ)の「金沢の茶道を知ろう ~ 裏千家茶道のお話し ~ 」は9月17日(土)、石川県茶道協会代表幹事 大島宗翠さんを講師にお招きし、多数の方の参加のもと、ここ尾張町老舗交流館にて開催致しました。

 

当講演会は、毎回 講師の先生方の用意される「レジュメ」等の資料にもとづいて行われることが多いのですが、今回の大島先生もお話の内容全体をたやすく俯瞰できる資料を提供され、講義を進められました。

先生の用意された資料は、A3版2枚の年表形式のもので、一つは、室町時代から近代にいたるまでの、前田家歴代、裏千家歴代、の在世期間、及び信長、秀吉、徳川家歴代、そして利休七哲の在世期間、茶人でもある武将・豪商・実業家・芸術家たちの在世期間、を時系列に並べたもので、各人物の、お互いへの影響度合いを把握しやすい年表。

もう一つは、これも室町時代から現代にいたるまでの期間の、信長、秀吉、千利休、前田家歴代、の茶道発展に尽力した出来事、石川県、金沢市の茶道発展に寄与した施策、活動を細かに記した年表。

これらの資料に即して先生は、武士と茶道の関わり合い、前田家と茶道の関わり合い、茶道の有する総合文化性なるがゆえの、百万石文化への寄与・貢献を語られました。( お茶は、茶道具のみならず、建物、庭、料理、禅、文学 等の広い領域を統御する総合文化であると。)

洒脱な先生の語り口にかかれば、これら二点の年表は、さながら鮮やかな大絵巻とみまごうばかりでした。先生の説明は、我々聴衆に、茶道の歩んだ歴史、茶道を愛でた武士、文人、町人たちの活躍のありさまを、鮮明にイメージさせてくれるものとなりました。

 

「 お茶というものは、もてなしの世界である。作法不備な客人であっても、決して恥をかかせず、すべての客人に楽しんでもらう、というのが『お茶の基本』。」

と結ばれた大島先生の講義は、茶道に対する親しみ、愛着を大いに沸き立たせてくれるものとなりました。

 

 

次回は、10月15日(土)「日本最古の印判店 ~ 前田利家の御用印判師としての役割と伝承 ~ 」(講師:細字印判店12代店主 細字左平 氏)です。

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